歯周病
歯周病ってどんな病気?
健康な歯ぐきの状態では、歯とぴったり引っ付いています。
歯周病とは、歯周病菌が歯と歯茎の隙間に入り込み、それらが歯を支えている骨に達してしまうと、
この骨を溶かしてしまう病気です。
骨を溶かしてしまう。。。ちょっとイメージしてみて下さい。
もし、指先の骨に細菌が感染してどんどん指が短くなって来たら。。。
また、目の周りの骨に細菌が感染して眼球を支えることが出来なくなり、目が飛び出して来たら。。。
目に見える変化だと皆さまも気付き易いのですが、口の中の変化は中々気付きにくいのものです。
歯槽骨が溶けてしまったら歯を支えることは出来ませんので、歯が健康であっても抜けてしまいます。
しかも、今や成人の8割以上が歯周病であると言われています。
そして、むし歯は年齢を重ねるごとに新たにはかかりにくくなるのですが(詰め物の下での2次虫歯は別ですが)、
歯周病は放置すると歳をとるにつれて進行すると言われています。
このように、ほとんどの人がかかっている上に、骨が溶け、むし歯ではない健康な歯でも抜けてしまう怖い病気なのですが、
本当に怖いのはこれだけではありません。
科学技術が発達し、全身の病気の原因が徐々に判明しつつあります。
有名なところでは動脈硬化、糖尿病、最近ではメタボリックシンドロームにまで歯周病菌が関与していることが科学的に証明されております。
日本臨床歯周病学会が、解り易く解説しております。
歯周病菌も、むし歯菌と同様、歯に付いた食べ残し(主に糖タンパク)を栄養源にしています。
この食べ残しに、歯周病菌がとりつくとプラークができます。皆さんの歯の表面はねばねばしていませんか。
この白いねばねばが、プラークと呼ばれるものです。
皆さまは「プラークコントロール」という言葉を聞いたことがあると思います。
このねばねばを取ることが「プラークコントロール」です。
きちんと歯磨きをしているのに、なぜ多くの方が歯周病にかかってしまうのでしょうか?
実は、ほとんどの方がきちんと歯磨きをしても、食べ残しが取れたところで、
「歯がきれいになった」と誤解していることに原因があります。
食べ残しの下にこそ、本当は取らないといけないプラークがたっぷりと残っているのです。
この赤い部分がプラークで、いわば細菌の塊です。これを除去しないでご飯を食べるということは。。。
全身に悪さをする細菌を、せっせとお体の中に入れていることと同じですね。
一度、当院で歯磨きの指導を受けて、
「これで完全だ!」というくらい歯を磨いてみてください。
担当衛生士が根気よくお付き合いいたします!磨き残しは人それぞれですので、その方にあった磨きかたや使用器具を、
何度でもご説明いたします。
もしプラークを除去しないで放置すると。。。
プラークは、やがて唾液中のカルシウムやリン酸を取り込み固まります。
これが皆さんご存知の歯石です。こうなってしまうと、セルフケアだけではどうにも出来ません。
歯周病菌は空気に触れると死んでしまうため、自らが生き残るためプラークという細菌の集団と歯石を作りながら歯茎の奥へ下へとどんどん進んでいきます。
歯茎が歯からはがれ落ち、炎症を起こして腫れたりするのです。こうなるとかなり重症です。
しかも、恐ろしいことにこのときまで、ほとんど自覚症状は現れません。
歯を磨いてちょっと出血するくらいです。
そして、気が付いたときにはすでに重症な状態にまで進行してしまってることが多い病気です。
歯周病の治療についてですが、現在、さまざまな治療法が研究されていますが、完全に歯周病を治療することはほとんど出来ません。
その1つの原因としては、たとえ一時的に歯周病菌を除去出来ても、誰のお口の中にでも、つまり家族のお口の中にも歯周病菌がいるので、自然と感染してしまうのです。
もちろん、一度歯周病にかかり、歯茎が歯からはがれてしまうと、ある程度引き締めることはできますが、完全に元通りには出来ません。
ですから、再度歯周病菌に感染すると、以前に出来た歯茎と歯の隙間に簡単に取り付いてしまいます。
当院では、機械的にプラークや歯石を除去することも当然ですが、科学的に口の中の菌叢をリセットする内科的歯周病治療にも力を入れております。
さきほどご説明しました「プラーク」は、いくらきちんと歯磨きをしても完全に取り除くことは困難です。
完全なプラークの除去をするには、歯科医院でプロが専門の器械を使って定期的に除去しなくてはなりません。
当院では、PMTCをはじめ、病気の進行度合いによってその方に必要な治療法をご提案させて頂きます。
少しでも皆さまの歯が健康で長く機能出来ますよう、最善を尽くします。
位相差顕微鏡の活用
虫歯、歯周菌などの疾患は、口腔内にいる”細菌”に関係しています。
口腔内最近の状態は人それぞれです。
そのため、なりやすい疾患も、適した治療方法も一人一人異なります。
当院は口腔内細菌を観察するために、位相差顕微鏡を導入しています。
位相差顕微鏡の倍率は3,800倍(17″モニター使用時)。
10ミクロンの微細な細菌も約4cmの大きさで、そのうごめく状態を映し出します。
患者さんが日常生活では見ることのない口腔内細菌を、
視覚的理解を通して分かり易くご説明し、患者様一人一人に適した効果的な治療をご提案します。