みなさま、こんにちは、院長の金村です。
先日の金豆の反響がかなりありまして、良くぞ言ってくれた!派が8割、
本当のことを言っちゃだめじゃん!派は2割という結果でした(笑)
わたくしも大学院で歯学博士号を取得した化学者の端くれ、真理の追究を
モットーに研究を続けてまいりました。接着材と牛歯や人歯との界面を毎日
見続けて約4年、どの接着材が本当に高性能で長期に渡り安定した物性を保てるかを知るのに良い大学院時代でした。
教授に購入してもらったFE-SEMで見えない微細な構造は、東大の工学部が所有していた当時世界一の性能を誇った超高圧透過電子顕微鏡で観察!鏡筒の高さはビルの3F以上という、とてつもない機械でした(笑)
この電子顕微鏡がすんごいのは、なんと!原子が一つずつ見えます!!わたくしが最終的にエナメル質と接着材の検討で論文を書き上げ学位にしたのは、エナメル質の結晶が余りに美しかったこともあります(笑)
表題にある”ボンディスト”とは、接着材の研究で学位を取得したものに与えられる名誉ある(笑)称号で、日本ではあまり馴染みのない呼称ですが、世界的な学会ではよく使われます。
さて、そのボンディストの一人でもあるわたくしがブログや豆知識でご紹介てきた2次虫歯ですが、では、虫歯を取ったあとどうすれば再発虫歯を防ぐことが出来るのか、知りたくないですか(笑)
まず考えなければいけないことが3つほどあります。
1つ目として、切削して露出してしまった象牙質やエナメル質を確実にカバー(接着)し、接着力を長期にわたって発揮することです。
この写真は、東京医科歯科大学歯学部歯学部う蝕制御学分野の後進が撮った電子顕微鏡写真です。
以下、医局のHPから引用させていただきました。
従来観察されてきた樹脂含浸層直下に酸・塩基処理に対して抵抗する層、Acid-Base Resistant Zoneの存在が発見された。この層には材料依存性があり、セルフエッチングプライマーシステム、特に2ステップボンディングシステムやフッ素徐放性の材料を用いた場合に厚くなる傾向がある。修復物周囲における2次う蝕抑制の可能性を持つと考えられており、SEMやTEM、EDSなどを用いた研究が進められている。
なんだか専門的な内容ではありますが、当院で使用しているシステムがこのセルフエッチングプライマーシステムに当たります。
とはいっても、一種類で全てを賄える程、世の中甘くはございません(笑)
接着する場所、たとえばエナメル質には表面処理剤としてリン酸を併用したり、セラミック素材にはサンドブラスト処理をした後、専用のプライマーを作用させたりと、色々工夫が必要!
このあたりも、ボンディストであるわたくしにお任せ下さい!
続きをお楽しみに!!
院長の金村でした。