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結構虫歯が進行していたのに、なんで痛くないの??

みなさま、こんにちは。
院長の金村です。

最近、HP経由でお問い合わせいただく多いものに、2次虫歯なのに痛くないものも
ありますか?があります。
このかたもそうでしたが、、

空けてみたところ、、
じゃ~~ん、

このかたも、噛んだときの違和感のみで、特に歯がシミル~~などの症状もなく、、

実は痛くない理由としては、大人になってからの虫歯は進行がかなり遅いことも関係しています。
また、歯の神経は非常に賢い組織で、外部から虫歯等の刺激があると、石灰化していきながらその刺激から逃げようとします。
これを、われわれは2次象牙質と呼んでいます。神経が頑張って歯の中に石灰化物を作ってくれるおかげで、強く痛まないのです!
余談ですが、英語ではこれをcaries affected dentinと呼び、実はこの呼称、わたくしの恩師で師匠でもある現北海道大学歯学部保存学教授の佐野英彦先生が命名し、今では世界的に使われる言葉となりました。流石です(笑)。

それぞれの接着材には、厳密に守られなければいけないステップがあり、ひとつでも省略してしまうと本来の接着力を発揮出来ないばかりか、残せる歯も抜歯せざるを得なくなります。
それまでの接着の研究は長年、”健全な”象牙質に如何に材料を接着させるかがメインでしたが、佐野先生のおかげで、より臨床的な”虫歯の影響を受けた象牙質”への接着に研究がシフトし、数年で急激に臨床成績が良い材料が各社(海外を含め)出始めました。
より生体に優しく、且つ、長期的に接着力を維持できるシステムがほぼ確立されつつあり、10年前の商品に比べても格段に高性能のものを当院では厳選し使用しておりますので、どうぞご安心下さいませ。


また、このかたは歯が折れたということで近所の歯医者にいったところ、”歯茎の下で歯が折れているので抜くしかない!”と宣言されてしまい、あわてて保存できる歯医者を探すため多くの歯科医院のHPを見られたそうです。
(ちなみに、お住まいはなんと、、千葉県の鴨川市!HPに設置してある無料相談を通じてお話を伺い片道2時間弱掛かるとは聞いてはいたのですが、あまり回数も掛けられないと思い、コンパクトに纏めて治療することをお約束。)

歯の中で神経が死んでしまっているので、所謂根の治療が必要なのですが、このままだと(歯のエッジが歯茎のラインより下にあるので)無菌的に根の治療が出来ません。そこで隔壁と呼ばれる壁を作る必要があり、ここでも最新の接着材が役に立ちます。
まず出血に最大限注意しつつ表面処理を行い、

歯の周りに壁を作ります。


この壁さえ出来てしまえば、後はラバーダムを装着出来るようになり、通常の根の治療が可能になります。


不幸中の幸いなのですが、歯が折れてすぐHP経由でご相談なさり当院での加療をご決断されたので根管の汚染もそれほど酷くなく、通法通り根の治療を終え、そのあと歯が割れない土台を入れて(保険診療でご用意する銀合金の土台は、それ自体が杭の役割をするので必ず歯が割れます。このあたりは、次のブログで詳しく書きますね)、無事歯が入りました!

めでたしめでたし(笑)

院長でした!