皆様こんにちは!
受付の鎗野目です。今年も残すところ1週間ほどですね。
つい最近まで半袖を着ていたように思うのに、年々体感時間が加速していくようです。
さて、先日HM’s主催のセミナーに参加してきました。
予防歯科で有名な大阪大学の天野敦雄教授が講義をされ、歯周病について
とても楽しく勉強することができました!
今回は、その際教わった内容を一部お話しさせて頂きます。
口の中にはたくさん細菌が存在していますが、悪玉菌と善玉菌だけでなく、
日和見菌というどちらにも属さない菌に分かれています。
割合としては8~9割が日和見菌なので、口の中の状態が悪くなければ
悪さをすることはありません。
しかし、歯を磨いていなかったり磨き残しがあったりして悪玉菌が
元気になってくると、日和見菌は悪玉菌の味方になり、
時間をかけて病原性を高めていきます。
そのうち歯肉に潰瘍面ができ、歯磨きのような少しの刺激で
出血するようになります。出血する状態のままにしていると、
菌は血液に含まれるヘム鉄を栄養源とし、歯周病はどんどん悪化していきます。
歯周病の治療は、歯周ポケットを測ったあと、縁上歯石という、
歯肉より上の歯の表面についている歯石をとります。
縁上歯石をとったあと、歯肉がどれぐらい引き締まったか再度
歯周ポケットの深さを測りますが、引き締まっていない部分については
縁下歯石という、歯周ポケットの中についている歯石をとります。
縁下歯石を取り終えたらまた検査を行い、最初と比べてどれほど
改善したかを確認するといった流れが基本となります。
歯石を取っていくことで潰瘍面を閉鎖し、出血を止めることで
菌が飢餓状態になり、菌の割合が健康状態に戻ることで歯周病の程度が
治まってきます。
ある時に天野先生が細菌の量を位相差顕微鏡で見た様子がスライドで
流れましたが、初回はこんな感じでした。
実際のセミナーでは映像で、これらの菌が元気に動き回っていました。。
この状態から縁上歯石を取った段階で
菌が少し減っています。このあと縁下歯石を取った時に
また少し減り、ひと段落する段階には
ここまで綺麗になったようです。
歯石とりと言っても、一目で分かるのは縁上歯石ぐらいなので
あまり変化を感じられないかもしれませんが、実際にはここまで
変化が起きています。
ちなみに、歯石とりのみをご希望でお越しになる方もいらっしゃいますが、
保険適用の歯石とりは歯周病の治療を目的に行うものなので、
検査を行い、歯周病という病名がついてはじめて歯石とりを行うことができます。このため、検査を行わなければ歯石とりも行うことができません。
口の中の環境によって菌の状態も変化するので、歯周病が改善しても
そこで終わりではなく、その状態を保っていくことが重要となります。
この位相差顕微鏡は当院にもありますし、歯周病の最も悪い菌の有無を
調べる簡易検査もできますので、気になる方はお気軽にお声掛けください(^o^)
また、最近クリーニングやメンテナンスでご予約をご希望される方が
多くいらっしゃり、ご予約が大変混みあっております。
ご連絡はお早めにいただければ幸いです。
以上、鎗野目でした!