皆さま、こんにちは。
院長の金村です。
4月ですね。みなさまの会社や学校にも新人さんやフレッシュマンが来たと思います。当院も改革3年目に入り、更なる医療向上のため新人衛生士さんをお迎えしました!
今年に入った辺りから本格的に求人活動をはじめ、数多くの求職者のかたとお会いしました。チーフと予め採用条件を細かく設定していたお蔭で、当院が求めている条件をクリアした新人さんを採用することが出来ました。
皆さまを担当するにはまだ時間が必要ですが、来週早々からチームメイトとしてデビューします。3か月の研修期間は課題も多く大変だと思いますが、国家試験を合格しプロの衛生士として社会で活躍する訳です。
仕事のやり方だけではなく、職業人、社会人としての在り方もしっかり学んでいただいたのち、皆さまの大切な健康増進のため尽力して下さいね。
さて、FBでかなり好評だった(笑)ドイツ出身美人モデルさんへの回答の続きです。
今回もモデルさんにだけではなく、皆様にもこっそり2次虫歯が起きてしまう本当の理由をお教えします。
本当の理由その1で、テクニカルエラー(そもそも切れない刃物でいくら虫歯を”取ろう”と頑張っても、”徒労”に終わることになります(笑))が、かなり予後に影響を与えていることは述べました。
2次虫歯が出来てしまった歯の標本を分析して、私なりに解析、論文には書かなかった(書けなかった)理由その2!
それは!
虫歯をとったあとに、どのような材料で露出してしまった象牙質、エナメル質をカバーするかでその歯の寿命がほぼ決まります。
昔は(わたくしの父親世代のDr.が現役だったころ)良い高分子材料が無かったため、むし歯をとったあと無機セメントを置いて、その上に銀歯を被せる。。くらいしか、方法がございませんでした。
ご高齢のかたの2次虫歯で、抜かざるを得なかった歯を標本にさせて頂き調べた結果、そもそもこの無機セメント(商品名は書きませんが)が、なかなかどうして、、物性が低すぎました。当時の開発者のかたに怒られるかもしれませんが、歯(エナメル質)の構造はリンとカルシウムが主成分なので、それらを混ぜたセメントで”まーいっか!”と設計されたのではないと信じたいです。。
歯にある程度引っ付くのですが、兎に角、唾液に溶ける、とける、、トケル、、、
おまけに、圧縮強度も引っ張り強度も歯に比べればまだまだ低いものでした。
30年前位から高分子材料がポツポツ出始め(ちょうどわたくしが大学に入学するちょっと前でしょうか)、歯科臨床への応用が本格化しました。
劇的な進化を遂げたのは、それから10年くらいあとになります。
折角開発された高分子材料も、実際に歯科医が皆さまに提供しなければ、その恩恵を享受することは出来ません。
虫歯を取った後、載せる材料が如何に”もとの歯”と一体化することが重要であるかは、歯医者は全員認識していたと思います。
ではなぜそれらが普及しにくかったか、それは、東京医科歯科大学歯学部第一保存を創立された初代教授の総山先生が仰っていたように、やはり日本のホケン制度、、、
無機セメントに比べて、高分子材料は価格が倍以上!。4~5倍以上は当たり前。
採算度外視で使用されていた先生もいらっしゃいましたが、多くの先生方は導入に二の足を踏まれていた模様。。
因みに、写真真ん中にあるシリンジは、自費用のハイブリッドセラミックです。
トクヤマ社製で(もともとは徳山ソーダ社の一部門で歯科材料を作っていましたが、現在は独立し、トクヤマデンタルに社名変更)、アステリアと命名され販売されています。
トクヤマさんにお世話になったから(大学院時代、筑波にある同社研究所の電子顕微鏡で色々解析して頂きました)お薦めしている訳では無いですが、ここのハイブリッドは成分が一味も二味も違います!
ハイブリッドの構造を簡単に言うと、浅草お土産で定番の”雷おこし”に似ています。おこしの部分がハイブリッドで一番重要な石英フィラーになります。
トクヤマさんのフィラーは非常に細かく(細かさは半端なく、nano単位です)、光で固めてしまうとエナメル質とほぼ同じ物性になります。あまり大きな声では言えませんが、トクヤマさんがこの微細なフィラーを製造するにあたり多くの石英の削りかすが出るのですが、他社さんはその削りかすをトクヤマから購入、それで自社製レジンを作っております。
内容がやや専門的になってしまい、チーフに怒られそうなので(笑)
続きは次回へ!
お楽しみに!!
院長の金村でした。