皆様こんにちは、受付の鎗野目です。
今回は、歯の先天性欠如と過剰歯についてお話しします。
通常歯は乳歯であれば左右上下に5本ずつ合計20本、永久歯であれば7本ずつ28本、親知らずがある場合は多くて32本が口の中に並びます。
先天性欠如、もしくは先天性欠損とは乳歯の下に控えているはずの永久歯や、そのもとになる歯胚というものが、生まれつきないことをいいます。
乳歯からない場合もありますが、永久歯の方が多く見られ、位置としては、前から2番目か5番目がないということが多いです。
10人に1人の割合で発生するそうですが、ヨーロッパ矯正歯科学会によると近年増加傾向にあるとのことです。
乳歯は6歳ぐらいから10歳ぐらいにかけて永久歯に生え変わっていきますが、時期や早さには個人差があるので、1年や2年遅くても心配する必要はありません。
ただ、乳歯の下で永久歯の歯胚が育ってくると、それに押される形で根がだんだん根が短くなり、そのうち抜け落ちます。
乳歯がいつまでも残っているという場合はその下に永久歯のない可能性があるため、注意が必要になってきます。
その乳歯が健康でぐらつかないうちは問題はありませんが、乳歯は永久歯に比べて歯の根が短く、エナメル質や象牙質も薄いため、長くもつ可能性が低いです。
ただ、抜けてしまった場合は放置してしまうと噛み合わせや歯並びに影響が出てきてしまうため、ブリッジやインプラント、歯列矯正などの治療が必要になってきます。
毎日のブラッシングやケアを怠らず、なるべく長く残すことが大切なので、先天性欠如の疑いがある場合はレントゲンによる検査をした方がいいかもしれません。
また、反対に過剰歯といい、通常よりも歯が余分にあるという場合もあります。
生えてくることもありますし、顎の骨の中に埋まったままのこともあります。多くは永久歯の上の前歯二本の間か、上下の親知らずの後ろに見られるそうです。普通は1本や2本ですが、海外では1人に何十本何百本もの過剰歯があったというケースもニュースで見たことがあります。
過剰歯のある場所が悪いとそれが妨げとなって本来生えてくるはずの歯が生えてこなかったり、埋まっている場所が悪いと嚢胞(のうほう)という膿の袋ができてしまったりしますが、本来あるべき正常な永久歯に悪さをしなければそのまま経過を見ることもあります。
先天性欠如の原因は遺伝や全身疾患、薬の副作用が考えられるとされ、過剰歯の原因は歯ができる前の歯胚の段階で過剰に作られてしまったり、途中で分裂してしまうなどが考えられるとされていますが、いずれもはっきりとはわかっていません。
こういった先天性欠如や過剰歯の疑いのある方や見つかっている方は、状態や経過を確認していく必要がありますが、ある方もない方も健康な歯を守っていくために検診をお受けになってみてはいかがでしょうか?
以上鎗野目でした。